2020年春の新型コロナ感染防止のため3月~6月まで休講しました。そこで、最初の予定で休みとしていた8月に1回ずつ講座を実施することとなりました。赤字が変更後の予定です。(2021年3月更新)原則、毎月第4木曜日です。
5)京都アスニー連続講座
 源氏物語は京都の作品としてたびたび話題になりますが、残念ながら奈良では(ファンは多いのですが)源氏物語が表立って取り上げられることは、滅多にありません。ところが、源氏物語が最初に話題になったミレニアム、2000年には源氏物語千年紀の発案者である角田文衞氏は、奈良女子大学で開催された中古文学会で斎院の野宮について発表なさり、私もそのすぐ前に「絵入源氏物語」について発表しました。そして今、私は奈良の大学に勤めながら、京都市生涯学習センターの京都アスニーで長く源氏物語の講座を続けています。
 源氏物語千年紀の2008年には、京都在住・在職の方々や東京の研究者が千年紀委員会の活動を担い、賑やかに「古典の日」の催しが行われました。10月には、京都府の広報番組「月イチ!京都府」の源氏物語千年紀記念番組(KBS京都)に出演しましたが、それは京都文化博物館で開催中の「読む 見る 遊ぶ 源氏物語の世界」展の宣伝のためでした。奈良の大学に勤め、滋賀県大津市在住の私が京都で仕事をするのはこれが最後かもしれないと思っていましたが、千年紀が終わった2009年1月、京都市の職員さんが職場に訪ねて来られました。用件は、京都アスニーの連続講座の担当依頼でした。歴史ある講座で、平家物語では上横手雅敬先生(現在も継続中)、源氏物語では中井和子先生が講師として続けてこられました。中井先生は『京ことば訳源氏物語』の著者として知られ、「源氏物語千年紀展」図録にもご寄稿いただきましたが、千年紀が終わろうとする2008年の暮れに体調を崩され、アスニー講座を何度かお休みの後ご逝去なさいました。角田先生と同様、京都を愛し、京都で源氏物語千年紀の盛況を見届けてお亡くなりになられました。その後継として、私がアスニー連続講座の講師に依頼されたのですから、少し驚きました。
 奈良市生涯学習センターでは2年サイクルで講師が交替しましたので「何年間ですか」と質問しましたら、「できましたらずっと。中井先生は28年間続けいただきました」と言われました。つまり命が尽きるまで、ということらしいのです。とても光栄なことと思って快諾し、翌月発行の「まなびすと」に「源氏物語の千年」を掲載していただき、2009年4月から毎月、源氏物語の連続講座が始まりました。受講生は、中井先生の長年の受講生や、別の講演などもお出かけになる熱心な源氏物語ファンですが、中井先生や上横手先生とは異なる方法で講座をしようと、 1)二つの源氏物語展で出品した作品の画像や架蔵の版本挿絵などをPowerPointで示しながら、巻毎の名場面を紹介し見所や注目すべき和歌を紹介する、という、私ならではの講座にしました。テキストとして使用できる簡単な著書と言えば、『光源氏と夕顔』や『絵入源氏』(おうふう、桐壺・夕顔・若紫)ぐらいしかなかったのですが、1年経過したときに『源氏物語の真相』、2年後には『国宝「源氏物語絵巻」を読む』を刊行しましたので、それらをテキストや参考書籍として紹介しながら進めてきました。なお、『国宝「源氏物語絵巻」を読む』は、出版社・書店でも品切れですが、私が保管していた分が少しありますので、絵巻のお話しをするときの期間限定で本講座の受講生のみに特別価格でお頒けしています。
 さて、その講座も無事に7年間休まず続けることができ、2016年3月に五十四帖をすべて終えました。その後はどうなるのですか、清水先生は続けてくださらないのですか、という受講生の熱心なご心配をうかがい、うれしく思いました。ご心配なく、皆様が飽きても続けさせていただきます、という意味で、第二期に当たる4月以降の予定を先にチラシで配布しました。今回は8年計画で五十四帖を「絵とともに読む源氏物語」と題して講座を始めます。前回までは、私のライフワークであった巻名と和歌に焦点を当てるため、かなり強引に一回で一巻ずつ紹介してきましたが、2時間で一巻を紹介するのは大変で細かい説明を省かざるを得ませんでした。そこで次回からは、長い巻は2回に分けてお話しすることを予定しています。また欲張って、資料には原文に口語訳を付けると宣言してしまいました。今まで2時間(途中5分程度の休憩)の講座で、資料は3~4枚、PowerPointの画像は10~20枚でしたが、今後は倍の枚数になると予想されます。口語訳は、他の研究者の口語訳を参照しながらも私なりにわかりやすくしたものを掲載します。

以上の文章の中で、現状に合わないところ(現在の身分など)を少し訂正しました。内容に変更はありません。(2021年3月訂正)
                                 

 参考図書
  • 中井和子『現代京ことば訳 源氏物語』(大修館書店、1991年)
  • 『源氏物語千年紀展』図録(京都文化博物館、2008年)
  • 『光源氏と夕顔―身分違いの恋』(新典社新書、2008年)
  • 『源氏物語の真相』(角川選書、2010年)
  • 『国宝「源氏物語絵巻」を読む』(和泉書院、2012年)
京都市生涯学習センター「まなびすと」より(上)

「絵とともに読む源氏物語」進行予定(下)変更後
2016年
4月 源氏の物語とは
5月 桐壺1
6月 桐壺2
7月 帚木1
9月 帚木2
10月 空蝉
11月 夕顔1
12月 夕顔2
2017年
1月 若紫1
2月 若紫2
3月 末摘花1
4月 末摘花2
5月 紅葉賀1
6月 紅葉賀2
7月 花宴
9月 葵1
10月 葵2
11月 賢木1
12月 賢木2
2018年
1月 花散里
2月 須磨1
3月 須磨2
4月 明石1
5月 明石2
6月 澪標1
7月 澪標2
9月 蓬生1
10月 蓬生2絵巻
11月 関屋 絵巻
12月 絵合
2019年
1月 松風
2月 薄雲
3月 朝顔
4月 乙女1
5月 乙女2
6月 玉鬘1
7月 玉鬘2
9月 初音
10月 胡蝶
11月 螢
12月 常夏
2020年
1月 篝火
2月 野分
3月 (休講)
4月 (休講)
5月 (休講)
6月 (休講)
7月 行幸
8月 藤袴
9月 真木柱
10月 梅枝
11月 藤裏葉1
12月 藤裏葉2
2021年
1月 若菜上1
2月 若菜上2
3月 若菜下1
4月 若菜下2
5月 柏木1絵巻
6月 柏木2絵巻
7月 横笛 絵巻
8月 鈴虫 絵巻
9月 夕霧1
10月夕霧2 絵巻
11月 御法1
12月 御法2 絵巻
2022年
1月 幻1
2月 幻2
3月 匂兵部卿
4月 竹河1
5月 竹河2 絵巻
6月 紅梅
7月 宇治十帖
8月 橋姫1
9月 橋姫2 絵巻
10月 椎本1
11月 椎本2
12月 総角1
2023年
1月 総角2
2月 早蕨1
3月 早蕨2 絵巻
4月 宿木1
5月 宿木2 絵巻
6月 東屋1
7月 東屋2 絵巻
8月 浮舟1
9月 浮舟2
10月 蜻蛉1
11月 蜻蛉2
12月 手習1
2024年
1月 手習2
2月 夢浮橋
3月 源氏物語まとめ